アメリカ政府が「選挙の完全性」の資料を一挙に公開した — ホワイトハウスが示した4つの論点
最初に結論
2026年7月17日、アメリカのホワイトハウスが公式サイトに「Election Integrity(選挙の完全性)」というページを公開しました。トランプ大統領のアドレス(演説)とともに、これまで機密扱いだった政府文書を含む4つの資料群を、誰でもダウンロードできる形で出しています。
柱は4つです。①電子投票・集計システムの脆弱性、②中国による米国の有権者データの取得、③ミシガン州の有権者登録をめぐる捜査、④州の有権者名簿に載る非市民。
はじめに、はっきりお断りしておきます。この記事は、「アメリカ政府がこう公表した」という事実の報告です。私はその主張が正しいかどうかを判断していません。添付された資料の中身も、私はまだ検証していません。原文は誰でも読めます。確かめたい方は、ご自身の目で確かめてください。
そして、これはアメリカ国内の話であり、日本の選挙について述べたものではありません。
何が公表されたのか
ページの冒頭で、ホワイトハウスはこう書いています。「選挙の完全性を守ることは、アメリカの民主主義への信頼を保つうえで根本的なことである。2020年の大統領選挙のあと、不正の可能性への懸念から、複数の州で投票プロセス、データの安全性、登録の実務について詳細な検証が行われた」。そのうえで、4つの分野について文書と報告書をダウンロードできるようにした、としています。
以下は、そのページに書かれている内容です。すべてホワイトハウスの記述であり、私の評価ではありません。
1. 電子投票・集計システムの脆弱性
ホワイトハウスは「長年、アメリカ人は選挙インフラの安全性について、あからさまに嘘をつかれてきた」と述べ、かつて機密指定だった米インテリジェンス・コミュニティ(情報機関)の評価などを、2020年1月から2026年6月にかけての分まとめて公開するとしています。
引用されている評価の一文は、こうです。「我々は、少なくともロシア、中国、イラン、北朝鮮を含む米国の敵対勢力、および非国家グループが、米国の選挙インフラを侵害する能力を有すると判断する」。もう一つは、「有権者登録データベース、ポールブック(投票所名簿)、公式の選挙ウェブサイトといった、中央に集約された選挙関連データの保管庫が最も悪用されやすく、敵対勢力はこれらのシステムへのアクセスを使って選挙プロセスを妨害しうると評価する」。
さらにホワイトハウスは、「電子的に票数を操作したり、選挙結果を変えたりすることが本当に可能なのか、と多くの人が疑問を持ってきた」としたうえで、CIAが入手したとする報告を挙げています。ベネズエラのマドゥロ政権が2020年に自国の選挙をデジタル的に不正操作しようとした具体的な計画で、その報告には「監査を行っても検知できない方法で票数を改変する手法」の詳細が含まれていた、と記しています。これは「我々自身のシステムが決してハッキングされたり侵害されたりしないよう、緊急の対応が必要な理由を示すものだ」と位置づけています。
2. 中国による米国の有権者データの取得
2020年の選挙サイクルから数年にわたり、中国が2億2000万件の米国の有権者ファイルを不正に取得した——ホワイトハウスはこれを「史上最大の選挙データ侵害と見られる」としています。含まれる情報は、氏名・住所・電話番号・支持政党などで、「有権者登録に必要となる情報」だと述べています。中国はこの目的のために専門のデータ活用部隊を割り当てた、とも書いています。
さらに、米国の情報機関は2020年の時点で、18州の数千万人分の有権者データが中国によって買収・窃取・ハッキングされたことを把握していたが、警鐘を鳴らすべき者たちがその情報を隠したままにした——「情報機関内のディープステートの一員が、中国による選挙介入の実態を積極的に抑え込み、矮小化し、大統領とアメリカ国民の双方から隠蔽した」と主張しています。
3. ミシガン州の有権者登録をめぐる捜査
ホワイトハウスは「重大な不正の証拠が見つかったときでさえ、それは埋められ、隠されてきた」と述べ、FBIの文書を挙げています。2020年、ミシガン州警察がマスキーゴンにある民主党系の投票促進団体を捜索し、見つけたものに強い懸念を抱いてFBIデトロイト支局に連絡した、という内容です。
文書には、一部の勧誘員がFBI捜査官に対し、他人の名前で有権者登録用紙に署名したこと、実在しない人物の登録を提出したこと、集めた申請の数に応じてギフトカードを受け取っていたことを認めた、と記されているとしています。担当したFBI捜査官は犯罪が行われたと考えたが、バイデン政権の司法省が何年も捜査を遅らせた、というのがホワイトハウスの主張です。そのうえで、FBI長官のパテル氏に対し、この件を徹底的に捜査し、司法省と協力して犯罪の責任者を訴追するよう指示した、としています。
4. 州の有権者名簿に載る非市民
国土安全保障省(DHS)が州の有権者名簿と公開記録を精査したところ、連邦選挙に登録している非市民が約27万8000人特定された、としています。ホワイトハウスは「民主党の州が有権者ファイルの提供を拒否したため、実際の数はもっと多い」と述べています。
そして、ページはこう締めくくっています。「これらを合わせると、誰にも擁護しようのないほど壊れた、脆弱な選挙制度が見えてくる。数億件の有権者ファイルが外国政府の手に渡り、我々の機械と集計システムはハッキングと操作に晒され、中国などが選挙に介入しようとし、不正の証拠は埋められ、数十万人の非市民と死亡者が有権者名簿に載って有効なままだ。それでもなお、我々は有権者IDも、市民権の証明もなく、数千万票が郵便の中を漂う選挙を続けている」。
私の考え
ここからは私(葛西)の考えです。事実と分けて読んでください。
繰り返しますが、私はこの主張の当否を判断していません。数字(2億2000万件、27万8000人など)がどう算定されたのか、私は確かめていませんし、公開された資料の中身も読み終えていません。それでも、この発表を紹介する価値はあると考えました。世界最大の民主主義国の政府が、自国の選挙インフラについて「攻撃に晒されている」「中央に集約されたデータが最も脆い」と、自ら文書を出して公表した——その事実そのものが、記録として残るからです。
私が受け止めたのは、ただ一点です。電子的な仕組みは、それが正しく動いたことを、後から確かめられなければならない。 引用された評価の中に「監査を行っても検知できない方法」という一節がありました。もし後から確かめる手立てがなければ、正しかったことも、正しくなかったことも、誰にも証明できません。これは、どの国の、どの選挙にも当てはまる話だと私は思います。
読者へ
この記事で私が示したのは、「アメリカ政府がこう公表した」ということだけです。評価は、あなたに委ねます。
原文は下の資料一覧からすべて読めます。資料もダウンロードできます。英語ですが、いまは翻訳の道具がいくらでもあります。人の要約(私のものも含めて)を信じるより、原文を自分で読むほうが、ずっと確かです。 ぜひ、ご自身で確かめてみてください。
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資料一覧(一次資料)
本記事の根拠は、すべてアメリカ合衆国ホワイトハウスの公式サイトの記載です。原文と資料は、次のリンクから誰でも確認できます(2026年7月17日時点)。
- ホワイトハウス「Election Integrity(選挙の完全性)」公式ページ — www.whitehouse.gov/election-integrity
- ① 電子投票・集計システムの脆弱性(資料一式・ZIP) — ダウンロード
- ② 中国による米国の有権者データの取得と悪用(資料一式・ZIP) — ダウンロード
- ③ ミシガン州 有権者登録の捜査(資料一式・ZIP) — ダウンロード
- ④ 州の有権者名簿に載る非市民(資料一式・ZIP) — ダウンロード
- トランプ大統領のアドレス(動画・同ページに掲載) — YouTube
※ 本記事は、上記ページに書かれている内容を日本語で要約したものです。引用部分は筆者による日本語訳です。訳の正確さを確かめたい方は、原文をご確認ください。
